ペリー来航から明治維新までの歴史を①過去からのつながりと②勝者の目の見直しの観点から考えます。
1.つながりを示す出来事
1-1.ペリー来航ショックはなぜ大きかった?
◎元寇との比較;蒙古軍撃退で海に囲まれた安全な国だったのが蒸気船の出現により、世界一危険な国になった恐怖。
◎アヘン戦争の恐れ;ヨーロッパ列強による植民地化の恐れに現実味が・・
1-2.尊王攘夷思想はどこから?
◎水戸学の元は徳川家康;主家に忠誠を説く朱子学の奨励が光圀に引き継がれ、さらに斉昭が攘夷思想を加えた。
◎聖徳太子の影響;儒教による忠君の教え、憲法17条、君、臣、民の関係
異国への恐れ+尊王思想→尊王攘夷思想→維新のエネルギー
2.勝者による歴史を見直す
2-1.徳川慶喜の例
内戦回避など新政府に評価され従一位の官位が与えられたが、幕臣や武士の立場から見ると、①無条件の大政奉還②鳥羽伏見の敗戦と敵前逃亡③江戸城無抵抗開城などは失策で裏切りであり、犠牲も大きかった。
2-2.井伊直弼の例
大老就任後の安政の大獄では独裁者として悪名が高い。将軍継嗣問題の解決やアメリカ、イギリスなど5か国との修好通商条約を締結し開国を進めた有能な大老でもあった。幕府を存続させる立場としては安政の大獄での処分は必要な措置であったのかもしれない。
2-3.吉田松陰から山形有朋まで
維新の英雄と言われる人々も敗者の目で見直すと、真逆の評価になる場合もある。
~まとめ~
歴史上の人物や出来事を時間の断片で見るのではなく、過去とのつながりで考えること、また声なき敗者の立場で見直すことで理解が深まり、歴史への興味が更に湧いてくると思います。